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映画『ピース オブ ケイク』──多部未華子が体現した“等身大の幸福”ラブシーン
どうも、濡れ場コレクター・「ケンジ」です。
ジョージ朝倉の人気コミックを原作に、田口トモロヲ監督が映画化した『ピース オブ ケイク』(2015)。
ゆるく生きるヒロイン・志乃(多部未華子)が、隣人の京志郎(綾野剛)と惹かれ合い、自分の足で幸せをつかもうともがく等身大のラブストーリーです。
なかでも中盤に描かれる“問題のベッドシーン”は、公開当時から「多部未華子がここまで見せた」と話題になりました。
官能的というより、二人が初めて本当に結ばれる瞬間の“ほろ苦くも甘いリアル”を切り取った場面です。
シーンの舞台は、狭いワンルームの“生活感”
京志郎の住む安アパートは、壁の薄さや薄暗い照明が生々しい生活感を漂わせます。
ベッドではなく布団、シーツも少しヨレている。志乃が部屋に入ると、そのまま灯りを落とし、首に手を回してキス。
カメラは寄りすぎず、布団の端に腰をかける二人をやや引きで捉え、観客を“部屋の隅の第三者”のポジションに置きます。
親密ながらどこか気まずい空気がリアルで、“大人の恋の入り口”を覗き見しているようなドキドキ感が生まれます。
“幸福”と“生々しさ”が同居するタッチ
キスが深まると服がはだけ、インナー姿で抱き合う二人。
多部未華子は肩越しに京志郎を見上げる目線で、安心ととまどいを同時に湛えます。
一方の綾野剛は、手の置き方や体重のかけ方を極力ソフトに保ち、恋人を大切に抱える仕草を徹底します。
パンツ一枚にまでなる過程も、無言のままではなく小声で「大丈夫?」と確かめ合う呼吸が挟まれ、その後多部未華子のパンツがするりと脱がされ…。
画面は暗めですが、布団がわずかに軋む音、シーツを握る指先のアップが差し込まれ、肌より“触覚”を想像させる演出が秀逸です。
演じる側の挑戦と、観客の受け止め方
多部未華子はこの作品以前、恋愛作品でも比較的ガードの固いイメージがありました。
その彼女が下着姿で無防備に横たわり、目を潤ませながら笑う姿は、新境地と言える大胆さでした。それでも彼女の演技は決して扇情的にならず、「ありふれた部屋で、普通の男女がようやく気持ちを通わせた瞬間」のみずみずしさに焦点を当てています。
公開当時のレビューでは、「露出以上に表情の芝居がすばらしい」「あの脱力した笑顔がリアル」「むしろ微笑ましい」といった声が多く、“エロい”より“等身大でかわいい”という評価が主流でした。
シーンが作品に与える物語的な意味
このラブシーンは、志乃が「流される恋」ではなく「自分の意志で選んだ恋」を体感するターニングポイントとして置かれています。
直後に訪れる現実の壁や自己嫌悪を強調するためにも、ここで描かれる“束の間の幸福”は欠かせません。
暗い部屋、ヨレた布団、控えめな照明――豪華さと無縁の舞台装置がむしろ志乃の素直な喜びを際立たせ、観客に「この幸せを守ってほしい」と願わせます。
結果、後半の波乱がより胸に刺さる仕掛けになっています。
まとめ
『ピース オブ ケイク』の濡れ場は、肌を強調するより“生活の手触り”を丁寧に写し取り、恋愛の甘さと生々しさを同時に伝えています。
多部未華子の自然体の表情と綾野剛の優しいタッチが合わさり、決して飾らない幸福感がにじむ場面に仕上がりました。
配信やブルーレイで鑑賞する際は、暗がりの布団が軋む音や二人の息遣いに耳を澄ませながら、ありふれたワンルームで生まれた“かけがえのない瞬間”を味わってみてください。
ください。
※VODの配信情報は2023年4月11日のものになります。